プロジェクトストーリー

PROJECT STORY

心躍るスイーツが、
誰かの今日を変えていく。

K.N

J.O

ギフト首都圏&EC営業DIV
マネージャー

K.A

Y.S

ギフト商品DIV
マネージャー

家電、雑貨、家具など、生活を彩る多種多様な商品の流通を手掛けるドウシシャ。その事業領域は食品分野にも広がっている。中でも主力とされてきたのが、中元・歳暮商品である。食品を扱うGMS(総合スーパー)やスーパーマーケットだけにとどまらず、異業種へと取引が広がり、事業を展開してきた。しかしギフト事業にも課題があった。それは、中元・歳暮という季節性が非常に高いビジネスという特徴であった。そこで、季節に左右されることなく通年で安定した収益が見込める分野として注目されたのが、スイーツである。近年は単なる菓子としてニーズがあるだけでなく、SNSでのアピール力や注目度の高い商品が求められ、人気スイーツ店となれば店頭に行列ができ、ネットでは販売開始直後に即完売となるケースも決して珍しくない。戦略次第で大きなビジネスとしての可能性が期待できる一方、競合も多いマーケット。果たしてドウシシャは、スイーツ分野において新たなビジネスを立ち上げることができるのか。大きなミッションが、2人のホープに託された。

楽しい1日の始まりを期待させるスイーツ『T.D.Early』。

ある休日の午後、都内某所の大手カフェチェーン店に、ギフト商品DIV マネージャーのY.Sの姿があった。楽しそうな話声でにぎわう店内で、ただ1人真剣な表情でカフェメニューに視線を落とすY.Sは、頭の中で1つの決断を下していた。

頭に浮かんでいたのは、取り組んでいるオリジナルスイーツブランドの商品案。コンセプトは、忙しい日常を過ごす女性にアーリーティータイムを楽しんでもらうというもの。もともとスイーツブランドを持たないドウシシャであるが、日常家電や雑貨類の事業において、全国の様々な小売店との豊富な取引実績を誇っている。これまで築いてきた販路とリソースの中から、スイーツブランドでは30~40代の女性をターゲットにした商品開発が検討されていたのだ。

仕事をしながら家事や育児に追われる女性に、新しい1日が始まる早朝にコーヒーや紅茶を味わうアーリーティータイムを楽しんでもらいたい。そんな提案を込めたブランドコンセプトに合うスイーツとして、Y.Sはフォンダンフロマージュの採用を決意した。「サクッとした生地の中からとろけ出るなめらかなチーズ風味が絶妙。口の中でとろける触感が楽しめるフォンダンフロマージュこそ、新ブランドに相応しいと思いました」(Y.S)。プロジェクトメンバーであるバイヤーと協議を繰り返し、何度も試作と試食を重ねた末、フォンダンフロマージュがドウシシャのスイーツブランド『T.D.Early』の主力として商品化することが決まった。

新たな企画でマーケットを切り開いていく前例のないチャレンジ。

「『T.D.Early』の流通を担う上で、他のスイーツブランドとは全く違う課題がありました」。そう語るのは、『T.D.Early』の営業担当のK.N今回のプロジェクトの主力メンバーであり、若手営業のホープである。「一般的にスイーツブランド市場は、3つに分かれています。まずはGMSやスーパーマーケットなどを主要販路とする市場、次に土産物を専門に扱う店舗、空港売店や駅ナカ店舗など。そして、百貨店などです」(K.N)。

イメージが重視されるスイーツブランドにおいては、百貨店の市場で知名度を上げ、さらなる販路拡大のために土産物店やGMSへと市場を広げていくのが一般的である。これに対してドウシシャの場合は、取引実績が豊富なGMSやスーパーマーケットの市場からシェアを拡大していくことになる。また、スイーツブランドにおける百貨店との取引や土産物店、駅ナカ店への販路開拓は、ドウシシャとしても前例のないことだった。プロジェクトメンバーの前に、ブランドビジネスならではの大きな壁が立ちはだかる。『T.D.Early』を軌道に乗せるため、現状を打開するような新たな一手が求められていた。

スイーツで誰かの心を明るく、毎日を楽しいものに変えていく。

ドウシシャにとって未開の領域であったスイーツ販売の激戦区「東京駅」を攻略したプロジェクトチームは、さらなる躍進を続けた。販路開拓において最も難易度の高い百貨店での『T.D.Early』の販売が約束されたのだ。まずは「期間限定販売」の形で出店。好調な売上実績を築き、次のビジネスチャンスにつなげることができた。

「次なる目標は、百貨店での常設販売です。競合にも負けないブランド力を持つ商品で、マーケットを開拓していきたい」とK.Nが言うように、『T.D.Early』のさらにワンランク上のハイブランドを立ち上げることで、より品質に優れた商品を展開し、百貨店マーケットでのシェア拡大を目指しているプロジェクトチーム。もちろん、それは簡単なことではない。だが、商品開発を手掛けるY.Sの頭の中には、すでに次の戦略が浮かんでいるという。

「今、世界はコロナ禍の影響を受け、行きたい場所にも行けず、やりたいこともできない状況にあります。せめてスイーツを味わうひと時だけでも、心から楽しい時間を持ってほしい。そんな心躍るスイーツを届けていくことが、私たちの次の目標です」(Y.S)。甘い香りが漂う小さな箱の中には、スイーツで人の心を明るく楽しいものにしたいという作り手たちの思いが込められている。「自分たちの仕事で、誰かの毎日を楽しくする」。それこそが、ドウシシャのモノづくりの根底に流れるパッションに他ならないのだろう。