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○ お酒のあれこれ話 ○

「アルコール飲料を飲むと太る」とよくいわれることですが、これは間違いです。
たとえばビールの大瓶は約 250kcalで、大きめの茶わん1杯の米飯と同程度の熱量です。
しかも、ただち に熱として発散される部分が多く、肥満を促進する物質も含まれていません。
ただ、飲みすぎれば、カロリーの過剰摂取となることは、他の食品の場合と同 じです。

よく、ちゃんぽんをすると悪酔いすると言いますが、結局はアルコールの量の問題です。
ビールのあと「水割りはいかが」などと誘われますと意外に飲めますし、熱燗のあと水分が欲しくなり、水代わりにビールを飲んでしまうこと もあります。色々な種類を飲むことで、飲んだ全体の量がわからなくなり、飲みすぎて悪酔いするといえるでしょう。
悪酔いは、飲んで数十分から数時間以内におこる不快な症状をいい、血中アルコール濃度が高く、アセトアルデヒドも高い状態にあります。
アルコール血中濃度と酔いの状態 図 ピーポー
爽快期
気分が爽やか
皮膚が赤くなる
陽気になる
判断が少しにぶくなる
ほろ酔い期
ほろ酔い気分
手の動きが活発になる
抑制がとれる
体温上昇、脈が速くなる
酩酊初期
気が大きくなる
大声でがなり立てる
怒りっぽくなる
立てばふらつく
酩酊期
千鳥足
何度も同じことをくり返し
 しゃべる
呼吸が速くなる
吐き気、嘔吐
泥酔期
まともに立てない
意識混濁
話が支離滅裂
昏睡期
揺り動かしても起きない
大小便はたれ流し
呼吸はゆっくりと深い
死亡
(社団法人 アルコール健康医学協会)


アルコールから分解されたアセトアルデヒドは毒性が強く、顔面紅潮、頭痛、 吐き気、頻脈などの不快症状を引き起こします。
この不快な症状は、アセトアルデヒドが酸化され、無害な酢酸になると消えますが、人によってアセトアルデヒドの処理能力にとても大きな差があり、お酒をまったく飲めない体質の人もいるのです。
5種類あるアルデヒド脱水素酵素のうち、アルコールの処理のほとんど は1型と2型で行っています。2型(ALDH2型)は血中のアセトアルデヒド濃度が低い時にはたらく酵素ですが、実は日本人の約半数は、このALDH2型の 活性を持っていません。すぐに赤くなり、不快な症状におそわれるのは、この2型の活性を持っていないためです。2型の活性がない人では、活性がある人にくらべて、同じ量のアルコー ルを飲んでもアセトアルデヒド濃度が10倍以上も高くなるといわれ、顔は赤く なり、そのほか不快な症状が強く現れます。
2型の活性欠損は不思議なことに、欧米人の多くには見られず、日本語の上戸、下戸にあたる言葉も英語にはありませんし、事実、下戸の人はほとんどいません。

女性は男性に比べて身体的にはお酒に弱くできています。
女性は、一般的に男性よりも体重が軽く、アルコ−ル処理能力に差が生じます。
女性ホルモンはアルコ−ルの分解に影響を及ぼし、肝臓でアルコー ルを分解する酵素 (アルコ-ル 脱水素酵素、ミクロソ-ム・エタノ-ル酸化系) の働きが、生理前には女性ホルモンによって阻害され、いつもより、はやく酔いがまわります。

妊娠中の人がお酒を飲むと、胎盤を通じて胎内の赤ちゃんもアルコールを飲まされた状態になり、大きな影響を受けます。
生まれてきた子に知能の障害、発 育障害、奇形など胎児性アルコール症候群が出る危険性があり、早産や分娩異 常もおきやすくなるのです。
また、 授乳中の飲酒も、母乳を通じてアルコールがそのまま赤ちゃんのからだ に入ることになるので気をつけましょう。

薬を服用中の人がお酒を飲むと、薬の種類によっては影響が強くあらわれます。
アルコールも薬も肝臓で代謝されるのですが、アルコールが入ると薬がその分 だけ代謝されなくなるため、長時間からだに影響を与えることになります。
薬は飲む量やタイミングがきちんと決められているものですから、それがアルコールによって狂うとからだに予期せぬ影響をあたえます。危険ですからさけるようにしましょう。